コンサルタントへの転職者が本音で語る:成功者からの転職成功レポート!ERP部門でインフラ構築からコンサルタントへの転身

- 29歳 男性 (未婚)
- 大手システム企業のERP部門インフラ構築エンジニア
大手コンサルティングファーム - 600万円
700万円
これが、Tさんにお会いしたときの第一声でした。Tさんは1週間前に私がスカウトしたご人材です。
あるコンサルティング企業からのスカウト依頼を受けてITの判るコンサルタント候補を探していた時のことです。大手システム企業のERP部門でインフラ構築業務に携わっていることを調べ直接、コンタクトをしてお会いすることができたのです。
確かに私からの一方的なスカウトなので、必ずしも『転職』に関心があるとは限らないのですが、会って一発目の発言としては少し寂しいではないですか。
「私たちは無理に転職をお勧めすることはありません。でも、なぜ、Tさんは転職をしないのですか?」
「私は今の会社に入って3年が経ちました。入るときから、少なくても5年位は今の会社に勤めようと思っていました。まだ、2年あります。だから駄目なんです。」
いかにも、実直なエンジニアという印象の29歳のTさんです。自分が決めたことは、きちんと守って行こうという気迫に押されてしまいました。
実は、私たちキャリアコンサルタントの多くは、転職にあまり関心のない方にたいして、転職活動を進める提案をすることは、ほとんどありません。関心のない方に企業や転職案件をご紹介しても、実際に活動へ至ることは少ないですし、仮に、そのような方を多少強引に面接へ進めても、良い結果が出ることはありません。(つまり、面接に落ちます)
今の求人企業は、ご本人の「やる気」の部分には非常に敏感なのです。結果的に、不充分な状況での転職活動は、採用企業から私たちへたいする信頼性を損なうばかりでなく ご本人のチャンスを失わせることになるのです。
どうやら本音で転職しないと言っているTさんを前に、話しを切り上げようかとも考えましたが、それじゃあ、どうして 忙しい中 スカウトに応じてくれたんだろう?
「なるほど、すぐに転職はしないというお気持ちは良く判りました。ところで、Tさんは今後ずっと今の会社様で頑張って行くのですか」
「いいえ、そんなことはありません。5年経ったら必ず転職します。」あれ?少し話しが違うじゃないですか?
「転職しますといわれても、2年後の話しですし、相手もあることです。ところで、Tさんは仮に2年後に転職するとしたら、どんな仕事を希望されているのですか?」
「将来的にはコンサルティングの道へ進みたいと思っています。だから、コンサルティングファームを狙っています。他の道は考えていません。」
明確な希望とキャリアプランです。(最近ここまで明確に考えている方は少ないですね)でも、そこまで考えているのなら、なぜ今、転職しないんだろう。プロジェクトのカットオーバーの時期が合わないのかな?
「いいえ。今のプロジェクトは3ヶ月後に終了します。」じゃあ、なんであと2年も待っているの?「私がそのように決めたんです。」
転職をする・しないの話から離れて、Tさんの仕事に関する考え方やこれからの希望を詳しく聞いて行きました。少し緊張が解けたTさんが話してくれた内容としては、
コンサルタントがしたくて、今の会社に入社したこと。3年間、ERP周りのインフラ構築ばかりで、自分が希望していたコンサル的な仕事は出来ていないこと。現在の会社の中にはコンサル部門もあるが、社内でも希望者の多い部署でそう簡単には社内異動は出来そうもないこと。さらに、仮に社内異動ができても、現在の会社のコンサル部門は、他のコンサルティグ専門の企業(いわゆるコンサルティングファーム)と比べるとレイヤーの低い業務が中心であること(と、Tさんは考えていること)。現在の会社に転職するとき、前職の就業期間が短く、大変苦労したこと。その時に、応募したある会社の人事から「ひとつの会社で5年以上働いていない人間は信用できない。」と言われ、それが今だに耳に残っていること。(この点については、原則私も賛成ですが)などなどです。
つまり、Tさんは真面目なだけに、自分が決めた5年という年月にがんじがらめになっているようです。Tさんの周囲には、適切なアドバイスをする人もいない様子。でも、コンサルティング業界が希望と考えると、このまま黙っていると、Tさんのチャンスがなくなってしまいます。
「それではTさん、ここからは私からのアドバイスです。まず、Tさんが希望されているコンサルティングファームは、同業界間の人の流動化は活発ですが、他業界から入り込むのはかなり難しいことをご存知ですか?特に年齢が30歳を超えると、なかなか他の業界からコンサルティングファームへ転職することは難しいのです。」
「でも、私の知り合いで、30歳以上の人たちがコンサルティングファームへどんどん転職していますよ。」
「その方々の転職前の会社はどこですか。TさんのようなIT業界の企業とは違うのではないですか。」
Tさんはコンサルティング業界を希望していながら、『転職』という側面からの本当の業界研究はあまりしていなかったようです。努力をすれば、常にチャンスがあると思っています。でも、現実は努力以上にタイミングも非常な大きな要因なのです。そこで、現実のコンサルティングファームへの転職ポイントをアドバイスしました。
IT業界でやっているコンサルティング(的な業務)と、コンサルティングファームでやっているコンサルティングは、大きく違うものであること。つまり、必ずしもコンサルティング経験とは認められないこと。
コンサルティングファームでは、コンサルタントが専門業種へ特化するおおよその時期である30歳以上になると、コンサルタント経験のない他業界からの人材受け入れが非常に難しくなること。
しかし、20歳代で本当にコンサルタントになりたいエンジニアは、過去受け入れ実績があること。
「コンサルタントとは何か?」「なぜ、現在の仕事ではなくコンサルタントになりたいのか?」について、明確な考えと回答を持つことが必要なこと。
「申し訳けありませんが、現在のTさんにはコンサルティングファームがコンサル経験と認めることが出来るご経験はありません。先ほどのお話しを聞いていると、現在の会社様でそれを身につけることも厳しいでしょう。はっきり言って、2年後に31歳になったTさんがコンサルティング業界へ転職することは難しいと思います。むやみに転職しないというTさんのお考えは、原則、私も賛成です。しかし、今のTさんは明確な理由がなく、そこにこだわり過ぎています。そのために、チャンスを失おうとしている。
今後、Tさんが今のIT業界でキャリアアップするのであれば、2年後でも充分に通用するでしょう。いや、2年後の方がチャンスが広がるかも知れない。しかし、コンサルティング業界へキャリアチェンジをするためには、今すぐに行動を起こすことが必要です。今日一番初めのお考えが、2年間転職しないと言うお話だったので、今ここで結論を出すことはありません。一度、頭を整理して検討して下さい。」
100%本音で率直なアドバイスをしたつもりですが、第三者的に見ると、半分「ダメ出し」のような、厳しい話しになってしまいました。Tさんも、こんな話になるとは思っていなかったようで、少し不本意のような表情でその日は分かれることになりました。それから1ヶ月後、Tさんから電話が来ました。「先日はありがとうございました。前回お会いしたときは、私の勉強不足を指摘されたようで、正直少しムッとした点もあったのですが、私なりに言われたことを調べるとおっしゃる通りでした。私は自分が努力さえしていれば、何歳になってもチャンスがあると思っていましたが、現実は違うのですね。自分のチャンスを掛けてコンサルティングファームへチャレンジします。企業を紹介して下さい。」
その後、Tさんはグローバルでもトップクラスのコンサルティングファームへ応募、見事に合格をかち取りました。明確な目標を持ち、真面目で向上心がある(かつ29歳の)Tさんであれば当然です。ご入社前にわざわざ挨拶に来てくれたTさんからは「あの時の本音のアドバイスがなければ、私は今だに自分の決めた5年の期間にこだわっていたでしょう。あのアドバイスで私のチャンスが生まれました。」とありがたいお礼も頂きました。
でも、本当にチャンスを生み出したのはTさん自身なのです。相手の話しを素直に受け入れるという、Tさんの『才能』 がTさん自身の未来を切り開いた。と私は思っています。私の本音の話をTさんが受け入れたとき、彼が変わったのです。
あなたは、あなたのチャンスをモノにできますか?
【転職成功ポイント】あなたは、あなたに本音のアドバイスをしてくれるプロとの人脈を持っていますか?
あなたは、相手のアドバイスを素直に受け入れることが出来ますか?
転職の成功は、能力よりも 他人の話を聞き入れる素直さです!
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